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復讐は神に任せ自分を生きる。原田ひ香『その復讐、お預かりします』

その復讐、お預かりします

2026年、新しい年が始まりました。 皆さんは「どうしても許せない」と思う相手や、やり場のない憤りを感じた経験はありますか?

最近、原田ひ香さんの小説『その復讐、お預かりします』を読み、私自身の過去、そして「これからどう生きるか」について深く考えさせられました。今日はその感想を綴りたいと思います。

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復讐屋・成海慶介を訪ねた美菜代

物語の主人公は、神戸美菜代(かんべ みなよ)。 同じ会社に勤め、信頼していた恋人・陣内俊彦が突如、後輩との婚約を発表。美菜代は絶望のどん底に突き落とされます。

彼女が頼ったのは、「誰にもバレずに復讐を成し遂げてくれる」と噂の復讐屋・成海慶介(なるみ けいすけ)でした。

成海は高額な報酬を受け取るプロですが、世間一般のイメージにあるような直接的な報復はほとんど行いません。彼は依頼人にこう語りかけます。「自分の人生を生きてください。復讐に目が曇って大切なことが見えなくなっている」と。

遺産相続に見る「人生の心理」

作中で特に心に残ったのが、「遺産相続で揉めた時、最後に幸せになるのは遺産を放棄した方だ」という言葉です。不思議なことに、無理に奪い取った人は、なぜかその後の人生がうまくいかなくなる。それが人生の真理なのだといいます。

これは、私たちの実生活にも通じる、深く突き刺さる言葉です。

実際、私の周りでも遺産争いに大金を投じて戦い、結局何も得られなかった人がいました。得られないどころか、心に深い傷を負ってしまった姿を見て、「何もしないほうが心を守れたのではないか」と感じたものです。

「復讐するは我にあり」の本当の意味

「復讐するは我にあり」の本当の意味

本作の核となるテーマに「復讐するは我にあり」という言葉があります。成海はこれをこう解釈します。

「復讐するのは神様である自分(我)だ。だから人間であるお前たちは復讐しなくていいんだよ」

この言葉を読み、私は今、とても心が軽くなっています。「神様が代わりにやってくれるなら、私は手を汚さなくていい。怒りに時間を使わなくていいんだ」と思えたからです。

2026年、神様のシナリオに身を任せて

神様のシナリオに身を任せて

この本を読みながら、私はかつての自分を思い出していました。私もご多分に漏れず、家族への怒りや、許せないという葛藤で心が支配されていた時期があります。

しかし今の私は、かつてのような「許せない」という気持ちを手放しています。自分で無理にシナリオを書こうとするのをやめたのです。

  • 「こうなったらいいな、でもならなくてもいいかな、でもなったらいいな」
  • 「神様ならどうするだろう?」

そんな視点を持つだけで、人生のブレがなくなります。「いい意味での諦め」を知り、神様の視点(シナリオ)を取り入れることで、昔よりもずっと楽に生きられるようになりました。

復讐しなくてよかったと思える日を待つ

物語の最後、美菜代は「復讐しなくてよかったと思える日を、この仕事をしながら待つ人生も悪くないかもしれない」と考えます。

復讐をプロに、あるいは神様に「預けて」しまうことで、私たちは本当の意味で自分の人生を取り戻せる。2026年、執着をそっと手放して、神様のシナリオに身を委ねながら軽やかに歩んでいきたいですね。