こんにちは、あゆです。
菌ちゃん先生の『完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門』を読んで、初心者向けに紹介されていた「部屋の中でできる、リビングファームキット」をはじめ、今はプランター栽培に挑戦しています。
菌ちゃん農法には、有機物を使った土づくりと生ごみを使った土づくりの2種類がありますが、今回は「生ごみを使った方法」に注目していきます。
このブログでは、生ごみを上手に活用して元気な野菜を育てる方法を中心にお伝えしていきます。生ごみを土に変える楽しさと、育てた野菜の美味しさをぜひ感じてください!
たくさんの菌が野菜の命を支える
腐敗と発酵
菌には多くの種類があり、それぞれが分解できる有機物が異なります。病原菌は弱った野菜に発生し、死んだ命を次の命に循環させます。悪者に見える菌も、自然の循環において重要な役割を果たしています。
野菜が元気に育つためには、菌を味方につけることが大切です。腐敗と発酵は菌の分解活動によるもので、腐敗は有害、発酵は有用です。健全な野菜を育てるには、腐敗に傾かない土づくりが必要です。
畑で働く代表的な菌と活動する条件
好気性微生物 | |
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糸状菌:糸状の体を伸ばし、胞子を飛ばしてふえるキノコやカビの仲間。リグニンも時間をかけて分解する。 | |
放線菌:酸素が豊富で高温の環境で働き、種類によっては抗生物質を生み出すものも。 | |
枯草菌:有機物分解の初期段階で働く細菌で、強い分解能力を持ち、空中にも漂う。納豆菌は枯草菌の一種。 | |
嫌気性微生物 | |
酵母:酸素の有無に関わらず働き、糖を分解してアルコールを生成します。 | |
乳酸菌:酸素がない状態で、糖を分解して乳酸をつくる細菌。 | |
そのほかの嫌気性細菌:水分が多く酸素が十分に供給されない環境で繁殖し、しばしば腐敗の原因になる。畑で増えると、メタンガスを生成し、野菜の根や葉が傷んで育たなくなる。 |
台所から土づくり
1.生ごみを漬け物にする
- ①入れた生ごみの1割程度の米ぬかと、重量の1~2%程度の塩を加え、よくかき混ぜる。夏場は腐敗しやすいので、塩は生ごみの重さの3%まで増やす。
- ②押しぶた(逆さにした皿)に重石をのせて漬けると、水分が出やすく嫌気状態になりやすい。生ごみを追加するたびに米ぬかと塩を加えて混ぜる。
- ③容器は密封し、重石をのせて直射日光を避けて1か月ほど保管する。大きすぎる容器は雑菌が繁殖しやすいので、約1週間でいっぱいになるサイズがよい。
- ④できあがった漬け物は、まるでザワークラウトのような酸っぱい香り。食べられるほど発酵していれば、土の中で腐敗することはない。
2.漬け物を畑に鋤き込む
漬け物を畝の上に深く鋤き込み、1か月後に苗を植え付けます。漬け物から発生する炭酸ガスで土がふかふかになります。
速く効くから追肥にも使える
- ①敷きわらをどけて、土の上に両手1杯分の生ごみ漬け物をのせる。
- ②漬け物の上に土をかぶせる。
- ③敷きわらを元のようにかぶせる。ポリマルチを使用している場合は、マルチをめくってその下の土に施す。
お日様のエネルギーで土づくり
太陽熱養生法
太陽のエネルギーを利用した土づくり方法です。有機物を含む土を透明マルチで覆い、真夏の高温で雑草の種子を死滅させます。一部の菌は死ぬが、数㎝下の菌は生き残り、有機物分解を促進。3~4週間で栽培可能。6~8月が最適で、他の時期は放置期間を延ばしましょう。
この方法で、草取りの苦労から解放されます!
ここが知りたいQ&A:教えて、吉田さん!
質問
生ごみが足りないので、代わりに草を入れてもいいでしょうか?
回答
そのままでは窒素肥料分が不足します。
草は、土の中の有用微生物をふやす効果は十分ありますが、生ごみに比べて窒素分がまったく足りません。草といっしょに市販のボカシ肥も加えてください。
質問
プランターにウジ虫が発生しています。本来、こういうことありえないのでしょうか?
回答
有用微生物が活動できない原因が発生すると生ごみは腐敗し、アメリカミズアブやハエがきて、ウジが発生します。
下記から当てはまる原因を見つけてください。
①プランターの土に生ごみを入れた時に、大雨で横なぐりの雨が入って土が加湿になり、その後の天気も悪いため加湿が続いた。
いったん濡れすぎると、空気も不足し、発酵から腐敗へ移行します。濡れすぎと気づいたら、すぐ米ぬかを多めに加えてよく混ぜます。翌日には温度が上がり、水分が飛んでいきます。または、晴れの日には土を広げて少し乾かします。
②生ごみを一度に入れすぎた。生ごみの量が土の量に対して多い。
一回だけ生ごみを入れるとき、目安はプランターの場合、土の体積の2~3割まで。畑の場合は10㎏/1㎡です。
③生ごみが分解途中なのに、定期的に全体を混ぜていない。
混ぜるのを怠ると、水滴がコーナー等にたまり、そこから腐敗してウジが湧きます。また、土の中も酸素不足になります。とくにプランターやコンポストなどのプラスチック製容器でそうなりやすいです。
④生ごみがもともと腐っていたか、水分が多いなど腐りやすいものだった。あるいは大きいまま入れたため内部が腐った。
新鮮な生ごみ、またはボカシて乳酸発酵させた生ごみを入れてください。発酵させた生ごみは小さく切る必要はありませんが、新鮮な生ごみは1cm以下の厚さに切るのが理想的。とくに夏のスイカの皮はそのまま入れると腐ってウジが湧きやすいです。
⑤夏、発酵熱で土が高温になりすぎた。
およそ60℃を超えるようだと、過発酵になりやすく、アンモニアガスが発生してアメリカミズアブやハエが集まってきます。
プランターでウジ虫が湧いてしまったあとの対策
できるだけ早急に土を加え、米ぬかをたっぷり加えて混ぜます。翌日には温度が上がります。その勢いで生ごみの分解がすめばハエは発生しません。その後このプランターにはもう生ごみ入れず、時々水分を補給して混ぜながら1か月以上かけて完熟させてください。
質問
できあがった土を何か月もそのままにしておいても、大丈夫でしょうか?土の状態はどうなりますか?
回答
ブルーシートをかけておけば問題ありません。
黒マルチや光の通らないブルーシートで完全に覆っておけば、とくに問題なくいつからでも作付けできます。光が通ったり、雨がしみこむ状態だと、草や生ごみの中の種が芽を出して成長し始めます。
そのまま何か月もほっておくとせっかくの肥料分が生えだした雑草の生長に使われてしまいます。また雨で栄養分が流されてしまいます。その場合は、そのまま生えた雑草を鋤き込んで、また発酵させた生ごみを入れ直してください。
元気野菜の魅力と育て方
トマト、ミニトマト:ミディが育てやすく、栄養分も多い
- 育てやすさ: ミディが特におすすめ
- 栄養価: 皮の下に多く含まれる
- 土づくり: 枯れ草やかき殻石灰でカルシウム分がバランスよく含まれる土にし、尻腐れ病を防ぐ
- 高畝: 大雨による裂果を減らし、甘く味わい深い実に育てる
ミディのおすすめ理由
- 管理の手間と収穫のバランス: 大玉は虫害防止と収穫の難しさ、ミニは枝数管理の手間が大きいが、ミディはその点バランスがよい
植えつけ(4月下旬~5月下旬)
1段目に花がついた苗を準備し、合掌形に支柱を立て、花の向いたほうを通路に向けて植える。2条植えで、株間は40cm。
芽かきと誘引
- 支柱: 麻ひもで茎を随時誘引
- わき芽取り: 茎と葉の間から伸びるわき芽はかり取る
- ミニトマト: 別の支柱を立て、茎を斜めに誘引しらせん状に巻き付ける
収穫(6月中旬~)
赤く色づいたものから収穫する。
ダイコン:土がよくなるほど、まっすぐで肌がきれいになる
栽培ポイント
- 土づくり: 未熟な有機物が残っていると、又根が発生しやすい。冬から春に土づくりを行った場所であれば、秋まきで育てられる
種まき(9月中旬~10月中旬)
- 株間・条間: 30cm
- 種まき: 4~5粒を互いに離してまく。青首系は9月中にまく
間引き
- ⒈ 双葉が開いたら: 1回目
- ⒉ 本葉2~3枚で: 2回目
- ⒊ 本葉5~6枚で: 3回目、1株に
収穫(11月中旬~1月中旬)
- 年を越す場合: 真上から見て、葉の中心部にある成長点をえぐり取ることで、さらに遅く収穫できる
ニンジン:子どもだからこそ、この味の違いがわかる
- おすすめ品種: 『黒田五寸ニンジン』。長崎県大村市の固定種で、育てやすく味が抜群
種まき(8月上旬~9月上旬)
- 準備: 黒マルチに直径20cmの大きな穴をあけ、土をグーパンチで固める
- 種まき: 円を描くように1㎝間隔で種をまく
- 覆土: 土で浅く覆い、さらに籾殻で薄く覆う
- 水やり: 1週間だけ1日1回
間引き
- ⒈ 本葉1~2枚で: 株間3cm
- ⒉ 本葉3~4枚で: 株間6cm
- ⒊ 本葉5~6枚で: 株間12cm
- 目標: 1穴で3本程度の収穫
収穫(11月上旬~2月下旬)
- 収穫サイン: 肩の部分が太くなったら収穫OK
というわけで、今回の記事は以上です。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございます😌