完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門【循環と共生】

完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門

7つの習慣』にある「緊急ではないが重要なこと」の中で、私にとって特に重要な一つが、無農薬の家庭菜園です。著者が、無農薬栽培と「菌ちゃん」(微生物)を駆使した農業に情熱を傾けていると聞き、その深い知識や経験に触れてみることにしました。

本記事では、無農薬栽培と微生物の力がもたらす可能性に焦点を当て、著者の手によって紡がれる興味深いエピソードやノウハウに迫っていきます。どのような新たな発見が待っているのか、一緒に探求していきましょう。

以下に、私の学びをアウトプットします。

さまざまな条件の土での栽培

まず自分の農地などもっていませんから、すべて借地にならざるをえません。

だから、まとまった農地を一カ所に借りることができず、あちらこちらとバラバラに分かれてしまいました。それぞれに設備や環境整備が必要で、機械や農具の移動もあり、効率が悪いこと、このうえありませんでした。

しかしそのことで、さまざまな条件の土での栽培を、ひとりの農家が同時に体験することができました。

ー>私が今後試してみたいアプローチには、EM農法、コンポストの利用、741Hzの波動水をスプレーするなどが挙げられます。これらの要素をプランターごとに実験することで、異なる土の条件下での成果を比較し、最適な栽培方法を見つける手がかりとなるでしょう。

虫が教えてくれた衝撃的な事実とは

そういえば、虫たちはたいてい同じところに集まっています。同じ作物でも、全体的に虫がぎっしりということはなく、虫のいるゾーンといないゾーンが結構はっきりと分かれていたのです。

「これはいったい、どういうことだろう……」

ふと思いついて虫の密集しているブロッコリーをちぎり、口に放り込んでみました。

驚きました。明らかに、まずいのです。

ブロッコリーの味ではあるのですが、辛いというか、エグいというか、どうしても食べ続けることのできない味だったのです。

今度は、虫のいない場所のブロッコリーを食べてみました。

もっと驚きました。こちらはおいしいのです。

後味がすっきりしているので甘く感じ、次々とつづけて食べたくなるおいしさです。これぞ求めていた、究極の野菜の味でした。

「虫の群がる野菜と、虫も寄りつかない野菜……。こういうことだったのか……」

あれほど困ったものだと思っていた虫が、私に教えてくれたのです。虫と闘う必要などないことを。

ー>そもそも、人間と虫は食べるものが違います。これを理解することで、虫との対立ではなく、自然な共存を模索することが重要です。

「神虫さん」「神菌さん」

赤峰さんは、虫も菌もこの世に存在するすべてのものには意味があり、自然界の中で大切な役目を果たしているといいます。

たとえば虫や菌は、人間が食べてはいけないものを食べてくれるから、「神虫さん」「神菌さん」と呼ぶのです。虫は人間の敵などではないという考え方です。

ー>補足します。
赤峰さんは、全国的に有名な「循環農法」の実践者の赤峰勝人先生です。
循環農法とは自然のものをまわして野菜をつくる農法で、とれた作物の分に見合う、完全発酵したたい肥や雑草を戻すという栽培方法です。

これには、光合成細菌が放射能を分解する役割を果たすことや、除草剤が使われた場所に現れるイシクラゲ(光合成細菌のかたまり)などが挙げられます。これらの生態系は、劣悪な環境を元に戻すための自然の驚異的な力を示しています。

根本原因は「土」だった

私の畑で虫がたかっていたゾーンは、未熟なたい肥を入れたため、土が少し腐った状態で、ブロッコリーも弱っていたのです。

別のゾーンでは、完全に浄化の終わったたい肥を使ったため、元気いっぱいで虫も寄りつかない、おいしいブロッコリーができたのです。

根本原因は「土」だったのです。

「土」で野菜の「根」が決まり、「健康」が決まる

元気な野菜は、元気な土がつくる。そして本当の元気野菜は、虫は本来嫌いなのです。

ー>土の重要性が一段と浮かび上がりました。未熟なたい肥がもたらす土壌の課題が、具体的に虫の発生として現れました。対照的に、完全に浄化されたたい肥を利用したゾーンでは、健康な土が元気なブロッコリーを生み出し、虫が寄りつかない状態が形成されました。これは野菜と土の相互作用が根底にあることを示していますね。

虫にまつわる2つの体験

菜の花のまわりの大量の雑草をとってその場に敷き詰め、A列には雑草が載ったままで放置、B列はみぞ上げ機を使って雑草の上に土を載せた状態で放置していました。雑草も土を載せることで腐敗する(悪いにおいになる)ことがあります。つまりB列の土は、雑草によってちょっと腐った状態にあったわけです。

そしてゾウムシは律儀にも、ちょっと腐ったB列の菜の花だけを食べていたのです。

未熟な豚糞と、浄化の終わった生ごみたい肥(完熟たい肥)を分けて入れ、数カ月後に、それぞれの畑に鍬を入れたときのことです。

驚きました。未熟な豚糞を入れた土には、鍬を1回入れるたびに、「白ネキリ」とも呼ばれているカナブンの幼虫が出てきたのです。一方、完熟たい肥の畑には、虫が一匹もいませんでした。

ー>土を浄化することが、虫の発生を抑制し、野菜の品質向上に繋がる重要なポイントです。畑の雑草やたい肥の状態が虫に与える影響を考える上で、土の浄化が持つ意義は大きく、これに焦点を当てて栽培を進めることが望ましいでしょう。

奇跡は「ジャングル」から生まれた

最初は、私も整地された畑のほうが最初の取り掛かりが非常に楽なので、ここにいいたい肥を入れるのが手っ取り早いと、当然のように思い込んでいました。

しかし、それは逆でした。

「ジャングル」は宝の山だったのです。

10年近く放ったらかしで草や木がぼうぼうに生えているような「ジャングル」のような土地は、じつは途方もなく元気な土地なのです。

そういう土地では、勝手に草が生えて、何年間も草が直射日光を浴びてきました。

太陽エネルギーをもらって、土の上も中も、エネルギーでいっぱいです。その草が枯れると、それをまた虫や微生物が食べます。だから、耕作放棄地は最初から、微生物の密度がはるかに違うのです。

ー>耕作放棄地を土が見える状態にする作業は手間暇かかりますが、これが実は最短の道だと気づきました。手入れが行き届かない土地こそ、自然のサイクルが息づき、奇跡が生まれる場所なのです。

「耕作放棄地」は宝の山

土の上に草がない場合、太陽エネルギーは有機物として蓄積されず、反対に過去何年もかかって土壌に蓄積されてきた腐食やミネラル分までもが、雨のたびに溶けて流失していく一方です。畑は次第に砂漠の状態に近づいていきます。

大型機械も使わず、労力も減らして、その代わりに時間だけはかけて、耕作放棄地を復元する方法があったのです。

約3~4カ月の期間をかけて、最初の1~2カ月程度は10日に1回程度、ただ地上部を刈り倒すことで、地下部が弱ってきます。あとは2週間に1回程度の間隔で、最初はごく浅く、しだいに深く、数回耕せば出来上がりです。

刈払機と耕うん機があれば、労力はそれほどかかりません。時間とともに、固くて大きなカヤの根もカズラの根も、竹の根さえもそのまま微生物のエサになってミネラルの供給源になってくれます。

ー>自然の摂理に従い、草ぼうぼうにした耕作放棄地が徐々にミネラルバランスを回復し、生態系が調和を取り戻す様子は、人間の手を介さない土地の知恵深さを感じさせます。

土は「菌ちゃん」のかたまり

野菜は葉の光合成でつくった炭水化物を、根を通して「菌ちゃん」にあげます。

そのお礼に「菌ちゃん」たちは、土の中のミネラル類を溶かして吸収し、いろいろなビタミンやその他の栄養素をつくって、根に渡します。

これらは「微生物代謝物質」とか「成長促進因子」などと呼ばれますが、この言葉の意味は「どれくらいの種類があって、どんな分子式なのか、現代科学では全容を解明できないが、何か生物をうまく成長させる力のあるものの集まり」といったところでしょう。

現代の農業では、野菜を大きくすることを目的に、化学肥料が使われます。化学肥料とは植物体の主な材料になる「窒素」「リン酸」「カリウム」の3要素から成り、石油や鉱石を原料に工場で化学的につくられます。

しかし土の中に、化学肥料を食べる「菌ちゃん」はいません。食べるものがなければ「菌ちゃん」も生きていけませんから、当然、数が減っていきます。

「虫は敵、菌は敵」という洗脳から解かれるべきときが来ています。
害虫も病原菌も、不健康な野菜を選んで、不健全な部分だけを食べて風通しをよくし、場合によっては野菜をふたたび健康体に戻してくれることもあるのです。

ー>農地において、土を健全な状態に保つためには、「菌ちゃん」の存在が不可欠です。彼らは土壌を栄養分で満たし、健康な成長を促進します。そのため、私は積極的に「菌ちゃん」を減少させないように努めます。同時に、「虫や菌は敵ではない」との考え方も重要です。

害虫や病原菌も、生態系において一定の役割を果たしており、それが土壌と植物の健全な状態を維持する一翼を担っています。この共生の視点から、バランスの取れた家庭菜園を心がけようと思います。

まとめ

  • 」の重要性が極めて高い。健康な土が基盤であり、それを意識した農法が不可欠。
  • 完熟たい肥の効果。栄養供給と微生物活動を促進し、植物の成長をサポート。
  • 耕作放棄地の活用。自然な循環を利用し、土壌を再生させる手法。
  • 菌ちゃんを減らさない農法。農薬・化学肥料を使用せず、生態系のバランスを尊重。

私のハイライト

生長点を切るときは、生長点が見てすぐわかるように縦に薄く切り、食べるときは、生長点の様子を眺めながら食べます。
「野菜のいちばん強い部分を食べた!」
「地球上のいちばん強いものとつながった!」
生長点をよく見て食べることで、そういう意識付けができるのです。
ただの心理学的効果だけではありません。実際に不死鳥の火の鳥が隠れている部分、野菜の「ご本尊」を口の中に取り入れるのですから、これほど自分を力づけてくれるものはありません。

ー>生長点は、野菜の中で最も活性が高く、新たな生命が生まれる部分です。菌ちゃんが食べないこの生長点こそが、私たちにとってのいちばん大切な部分と言えます。

お米は精米すると発芽能力をなくすので、そのときから酸化が始まります。だから、食べる直前に精米機で精米すれば、酸化していないフレッシュなお米が食べられるのです。酸化していないので、お米を水につけて研ぐ必要がなくなりますし、何よりつきたてのお米は味が違います。

ー>うちは食べる直前に精米機で精米していますが、毎回研いでいました。しかし、炊飯直前に玄米を分つき精米すると、水で研ぐ必要がなく、普通に炊飯器で炊けます。これによって、酸化を防ぎながらも、手間を省いてお米を新鮮な状態で楽しむことができます。

私たちが食べているのは「いのち」そのものであり、栄養成分が必要なのではなく、未知の栄養素も含めたバランスこそが「いのち」なのだということを。
いまの食品には、土から生まれていないものがたくさん混じっています。どれほど科学が発達しても、私たちは結局は「土のお化け」なのです。食だけは、土から生まれたものをいただかないと、生きてはいけないのです。

ー>食べ物は私たちにとって命そのもの。土から生まれた食材を大切に摂取し、健康を守りましょう。

» 完全版 生ごみ先生が教える「元気野菜づくり」超入門(著:吉田 俊道)