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医者に殺されるな【がんは“身内”です。むやみに闘わないこと 】

医者に殺されるな

私自身、健康診断や人間ドックの必要性に疑問を抱いていました。その疑問を解消しようと、様々な情報を探し、自らの健康について考える必要性を感じました。この過程で、がん治療や検診に関する情報の混乱や矛盾にも気づくことがありました。

医師の言葉に盲目的に従うことが、時には自らの命を危険にさらすことにもつながることを理解しました。

そこで、このブログでは、がんに対する正しい理解を深め、日本の医療界に潜む問題点に焦点を当てたいと考えています。医師によるがん治療の実態や、検診の必要性について客観的に考察し、読者の皆さんが健康についてより良い判断ができるようにお手伝いしたいと思います。

以下に、本書から得た知識をご紹介いたします

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抗がん剤の使用に関する医師の立場

「マル(教授の愛称)、アメリカではあまり抗がん剤を使わないようだね。日本では、頭頸部とうけいぶがんや子宮がんにも、さかんに抗がん剤を使っているんだけど、どう思う?」
「マコト、僕の知る限り、そういう臓器のがんに抗がん剤は意味がない。胃がん、肝臓がん、大腸がん、前立腺がんなども、治す効果も延命効果も証明されていないはずだ」
「そういうがんでも、抗がん剤を使えば、小さくなることはあるよね」
「腫瘍が小さくなっても、副作用で命が縮むこともあるから、延命効果は認められていない。だから、そういうがんには治療としては抗がん剤は使わない。実験としてなら使うが」

ー>上記は、近藤先生が1979年(昭和54年)にアメリカ留学中に経験した出来事です。
治療の選択肢として抗がん剤を検討する場合もありますが、その効果や副作用について慎重に判断する必要があります。

1981(昭和56)年、血液のがん「悪性リンパ腫」の抗がん剤治療「CHOP(チョップ)療法」を、正式に日本に導入。治療成績を大幅に改善しました。これは現在、悪性リンパ腫の代表的な治療法です。抗がん剤で治る小児がんや精巣腫瘍も治療してきました。

典型的な反論、典型的な逃げ

また乳がん検診についても、新聞の取材に「50~60代はマンモグラフィを受けたほうが、死亡率が下がることが科学的に示されています」と答えている。どれほど古い知識でものを言っているのか。科学的に示すことに失敗したから、スイスは2014年(平成26)年、マンモグラフィ検診の廃止を勧告したのです。

Kさんも、大学に移る前は胃がん検診を「根拠ないんですよ」と言っていたのに、大学教授になったら突然、推進し始めたり、なりふりかまっていられないようです。

ー>乳がん検診についても新聞の取材に答えているのはK教授。彼は某大学病院腫瘍内科の教授であり、「近藤本に騙されるな」「近藤本への科学的反論」というサブタイトルの2冊の本を出版しています。

「がんを治療したくない」という患者の声

一方、たとえ「がんもどき」でも、治療すると手術の合併症や後遺症、抗がん剤の毒性で死ぬことがあります。もしも「本物のがん」だったら、血管にメスが入ると、血液に浮遊しているがん細胞が流出して傷口などに取りつき、急激に増殖する。すると、ひそんでいた転移が暴れ出しやすいのです。

胃がんの切除手術は、どんな場合も僕は勧めません。肺がんの手術や抗がん剤治療は、死を招きやすいので緩和ケアが望ましい。食道がん、前立腺がん、子宮頸がん、舌がん、頭頸部がん、進行した膀胱がんは、切るより放射線治療のほうが、体を痛めません。
肝がん、胆道・胆管がんは、切るよりもラジオ波・マイクロ波焼灼術のほうが、ずっとラクで生存率も高い。大腸がんは、ステント(拡張筒)でやりすごせる場合も多いです。
がんは、自分自身の正常細胞の遺伝子が突然変異して生まれる“身内”です。がんと闘うことは、自分を攻撃するのと同じ。ですから、むやみに戦わないことです。

ー>がん治療の選択肢は一様ではなく、患者の状況や希望に応じて個別化されるべきです。そのためにも、患者と医師の間でのオープンな対話と情報共有が不可欠です。

抗がん剤の限界と現実

また「抗がん剤が最も効く」とされてきた乳がんでさえ、世界中で何億人かが治療してきて結局、2016(平成28)年の比較試験で「抗がん剤で生存率は上がらない」ことが確定。ところが、現場ではいまも、じゃんじゃん使われています。
女性が男性より平均寿命が長いのは、体が丈夫な人が多く、抗がん剤の毒性にも強い。
それで、これが効かなければ今度はあれと、次から次に10種類もの抗がん剤による「乗り換え治療」が延々と行われることも、珍しくありません。
ほかの固形がんについては、何十年も前から抗がん剤はダメだとわかっているのに、やっぱり延々と使われている。

ー>このような現実を踏まえ、抗がん剤治療の限界と効果について、冷静な視点で考えていく必要があるでしょう。

ナゾ多き「転移」の真実とは

ここでナゾ多き「転移」にも少し触れます。
がんが大きいのに転移がない場合は、ほぼ「がんもどき」。患者さんによく「乳がんを3年、5年と放置して大きくなっているのに、脇の下のリンパ節に転移がない。これは、小さい乳がんより平均して生存率が高いんです。本物のがんの場合、2年以内に転移が出てくることが多いから」と説明します。
それから「がんが血流に乗って全身に転移する」現象。がん患者の血管のなかには常に、がん細胞が100万個ぐらいあるようだと言われています。その大部分は死んでいますが、また補充される。そして転移能力があれば、臓器に取りついて大きくなる。
血管内のがんは物理的な力に弱く、毛細血管に入り込んで死ぬことが多い。生き残ったがん細胞は臓器側の血管にとりつき、鍵と鍵穴のような関係で、血管に引っかかる必要があります。臓器内にもぐり込むための酵素を出すことも必要。どの能力が欠けても、転移には至りません。

外科医たちは、昔から「お腹をあけて、がんが空気にふれると怒りだす、がんが暴れる」と、仲間内で言い交わしてきました。これは実は空気のせいではなく、手術をしたから暴れるのですが。
転移がワッと出てくるのは、手術のあとが多い。切ると今まで見えなかった臓器転移が急に増大したり、新たな転移が無数に出てくることがあります。腹膜転移が典型的です。
ひそんでいた転移や、正常組織の抵抗力で抑えられていた転移が暴れだすのです。

ー>がんの転移にはさまざまな要因が関与していることがわかりました。

和田秀樹さんの近藤誠論

がんには、転移するがんと転移しないがん「がんもどき」の2種類がある。転移するがんは、早期発見で見つかっても、最初のがん細胞が見つかるほどの大きさになるまでに、ほかのさまざまな臓器に転移しているので手遅れ。一方、転移しない「がんもどき」は、放置しても大丈夫という、「近藤理論」と呼ばれる「がん放置療法」を確立しました。

認知症と同様に、遺体を解剖すると、85歳以上の人は全員がんがあります。そのうち、がんが死因で死んだ人は3分の1ですから、3分の2の人は「知らぬが仏」で亡くなっているわけです。
私も知らぬが仏で死にたいと考えています。

ー>「近藤理論」の「がん放置療法」について、納得しました。

抗がん剤はすべて猛毒

まず、僕の抗がん剤についての考え方をまとめておきます。
抗がん剤はすべて猛毒です。「ケモ死」(ケモセラピー=薬物による化学療法で死ぬこと)があまりに多いので、がんの治療現場では病名のようになっているほど。
抗がん剤が「効く」。これは治る、延命に役立つという意味ではなく、単に「一時的にしこりが小さくなる人がいる」という意味で、必ずリバウンドします。
抗がん剤で「治る」可能性があるのは、血液のがんなど全体のたった1割です。

立花隆たちばなたかしさんが著書『がん 生と死の謎に挑む』(文藝春秋、2010年)に書いていたのは、立花さん自身も講演したがん関係のシンポジウムの裏話。大学やがんセンターなどの偉い医師たちが、控室の雑談の流れで、口々に「抗ガン剤なんて効かない」と言い出したそうです。
大御所の先生が、話をまとめるように「結局、抗がん剤で治るがんなんて、実際にはありゃせんのですよ」と言うと、みんな「その通り」という表情でうなずいたらしい。
立花さんが「それじゃ近藤さんの言っていることと同じじゃないですか」と言ったら、大御所の先生の答えは「そうですよ。みんな知っていますよ」。医者たちは、効かないことを百も承知で抗がん剤治療をやっている。共犯関係なのです。
効かないのに、抗がん剤は簡単にべらぼうに儲かる。ほぼ抗がん剤オンリーの製薬会社もあります。莫大ばくだいな経済的利益の上に、巨大な共犯ワールドが築かれています。

ー>医師たちの中には、抗がん剤の効果について疑問を持ち、効果の限界を知りながらも治療を行っているという実態があるようです。医療の裏側に潜む経済的利益と、患者の健康を考える上での倫理的ジレンマが浮き彫りになっています。

「放射線で局所再発は減っても、転移は減らない」

放射線が抗がん剤と違うのは、バリエーションが豊かで、痛み止め、とくに骨転移の痛みを止めるのに大変有効なところです。
ただ、手術後の再発・転移のリスクを減らす「補助療法」として、放射線は役に立つのか。乳房温存療法のとき、術後に放射線をかけると再発は減ります。でも乳房内の転移は減らず、生存率は変わりません。その理由を突き詰めると、転移はとっくにひそんでいるからです。これも、がんもどき理論のヒントになっています。

ー>「近藤理論」の「がん放置療法」に辿り着きますね。

ほっとくと消えるがんがある

最終的に150人以上のがんを放置してみると、経過はさまざまでした。さほど変化がない。がんが増大して治療を始める。がんが小さくなる。消えてしまう……。
驚いたのは「ほっとくと消えるがんがある」ということ。大きくなるのは、がんだから当然。しかし「大きくならない」がんもある。

ほっといたらがんが消えたケースは150人中、十数人。およそ1割もいました。普通は片っぱしから治療するから、消えるがんがあることなどわかりません。

ー>中には消えてしまうがんがおよそ1割もあるというのは、予想外の結果です。こうした消えるがんがあることを知ることは重要です。

患者の体は切るが、身内の体は切らない医者

慶応病院の外科の、食道がんの手術を目いっぱいやって名を挙げたリーダー。彼は、母親が食道がんになると、僕に放射線治療を頼みにきました。
ある高名ながんセンター総長は、自分が肺がんになると何の治療も受けず、モルヒネを使いながら最後まで自宅で過ごしたと聞きました。もう、信じがたい。

ー>医師自身が家族や自らががんになった際、治療方針が一変する事例は、医療の現実を浮き彫りにします。

一度始めた検診を絶対にやめない日本

欧米では比較試験をやって、「無効」というデータが出たら、新たに事業を始めることはありません。だから、欧米には職場検診もないし、人間ドックもありません。
肺がん検診の比較試験の結果がいくつか出て、いずれも「むしろ、肺がん死亡を増やす。総死亡を増やす」という結果が出たから、欧米は肺がん検診を始めなかった。
一方、日本はデータがないところから制度をつくっていく。比較試験もやりません。
それどころか「肺がん検診無効」の結果が欧米で出たことを知りながら、当時の老人保健法に肺がん検診を法律に加えています。それが、いままで広く行われてきている。
マンモグラフィによる乳がん検診も同じです。長いこと「視診と触診だけの検診事業」が行われてきたのに、2000年代に入って、正式にマンモグラフィ検診が始まりました。
しかし、その前に欧米では、「過去の比較試験をいくつか集めて検討したら、マンモグラフィに意味なし」という結果が出ていた。欧米ではちゃぶ台がひっくり返されているのに、厚労省は、マンモグラフィを使った乳がん検診事業をスタートしたわけです。
さらに、超音波検診を導入しようとしています。これで、検診で見つかる乳がん患者が1.5倍に増える。そして制度が一度できると、決してやめません。
一度始めた検診を、やめないのはなぜか。まず巨大な利権がからむからです。たとえば胃がんのバリウム検査(胃部エックス線検査)は先進国では過去の遺物で、行われているのは日本だけ。
ところが、国が定める5つのがん検診のなかで、バリウム検査は最大の稼ぎ頭です。

ー>このような事実を知ることは、本当に必要な医療を見極める上で重要です。

養老孟司さんの近藤誠論

僕が、いまでもよく覚えているのは、学生のときに東大医学部第一外科の先生が言っていたことです。
「1週間、体の具合が悪かったら病院に行け」
つまり、普通の風邪のような病気だと、1週間のうちに症状はよくなったり、悪くなったり必ず変わります。それが、1週間経っても、ずっと悪い状態が続くのだったら、病気の可能性が高いから病院に行け、ということです。一般的に1週間あれば、自然治癒力、免疫機能で体は回復します。
ですから、僕はよっぽどのことがなければ、病院には行きません。

僕がよく言うことですが、がんの手術をしたから治ったのではない。手術をしたあとに体が勝手に治っている。抗生物質を飲むのも同じです。
近藤さんも対談で「抗生物質はあくまでも免疫システムのお手伝い」と言っていました。病気が治るのは、自分が勝手に直していること。まして、クスリ1個でややこしい人間の体が何とかなるわけないのです。
人間の体は、マテリアルではありません。根本的に、理屈でどうこうできるものではないのです。

ー>医療はあくまで体の自然治癒力をサポートするものであり、人間の体は単なる物質ではなく、理屈でコントロールできるものではありません。

上野千鶴子さんの近藤誠論

医療の効果でいうと、アメリカのデータでは、女性医師が診た患者と、男性医師の診た患者の再来院率では、女性医師の患者のほうがはるかに低いことがわかっています。病気の治療効果が高いのです。再来院率が低いことは、医療費にとってもプラスです。
近藤さんはエビデンスを最重視される人でした。エビデンスは上がっているのに、エビデンスの合理性に従わず、不合理なことを続けているのが日本の医療界なのです。

ー>アメリカのデータから明らかになったように、女性医師が診た患者の再来院率が男性医師よりも低いことは注目すべき点です。

エビデンスが示す効果的な方法を採用せず、不合理な医療慣行が続いている状況については、改善が必要です。

それでは、以上です。 最後まで読んで頂きまして、ありがとうございます🙇